2016年3月25日金曜日
舞台『かあちゃん』
明治座へ
3月3回目の舞台鑑賞
藤山直美は藤山寛美さん育ちの者には
やはり面影を捜さずにはいられない
憧れの八千草薫さんを間近に拝めるのも
今回の愉しみ
山本周五郎作
鎌田敏夫脚本
石井ふく子演出
展開は十分に想像できる
想像はできたが
子を奉公に出すとき気丈に送り出し
その後一人泣く母親のつらさの演技には
共感し涙した
昨日甲子園で惜しくも一回戦敗退した
二十一世紀枠で出場した長田高校を卒業した長男が
東京の大学に行く日
気丈に送り出したと思ったが直後
弟の膝に泣き崩れた
肩打ち震わせ全身全霊で泣き続けた
とめどなく流れる涙は
止めようとしても溢れ出続けた
感情も思考も追いつかないほど
身体は悲しみに支配され制御不能となった
弟は初めて見る母の取り乱しように
圧倒され身動きできなかったろう
長い長い時間
弟も支えとなってくれた
あんな経験はあとにも先にもない
かあちゃん
かあちゃんもまたこの経験をしたのかもしれない
かあちゃんとしてまた生きねばならない