2011年3月28日月曜日

不自由でも


東京に戻るの
大変なのに戻らない方がいいんじゃないの

今回
そういってくださる方も
少なからず

被災地の方々の中にも
一度避難し離れたけれども
また元の場所に戻る方が増えた
と聞く

神戸から大阪まで歩こうとしたあとも
便利な何不自由ない大阪で過ごしたあとも
1週間ほどで
我々は
神戸に舞い戻った

TVで映される神戸を
明るい暖かい場所で
観ていることに
耐えられなくなったのだ

食料もなく
安全な居場所もなく
電気もガスも水道もなく
身を守るため
大阪に向かったつもりだった

食料もなく
安全な居場所もなく
電気もガスも水道もなくとも
神戸に帰らねばならない
ここにいたのでは
神戸の人間じゃなくなる
そう思った

たっぷりの食料
たっぷりの熱いお風呂
お客さま扱いの
贅沢な日々ではあったが
居心地は悪かった

神戸へ帰ろう

そう子供らに言ったとき
目を輝かせて
うん
と即答してくれた

子供らの思いも
同じだった

人は
便利さを求めているようで
そうではないなあ
豊かさを求めているようでいて
そうでもないなあ

戻るル-トは
大阪南港から出るフェリ-

大阪で
ヘルメットや水を買い込んで
フェリ-に乗り込む

神戸港からは
また歩き

ガレキの街に戻るのに
我々は
武者震いのような清々しさを
感じていた

何も恐くはなかった

むしろ
皆と一緒に不自由したかった

人の心は
不思議なもの

不自由さが
心を傷つけるものではない

哀れみの見舞いは
少し傷ついた

御蔭様で
大切なものを
見つける

いつも有難う御座います