2010年10月24日日曜日

納骨式


お墓の中を
初めて見せていただいた

どの宗派でも
骨は皆
土に帰る

骨壷から
骨だけを
白い布で包み
お墓の中の
空洞になっている部屋に
安置する

部屋の床は
赤い土

いやいや
そんなことは
ここ奈良だけだ
といいだしたお方がある

しばし
地方による
納骨風土の違い談議に

学識者が
霊園関係者に
弁をふるう

その間
父が
なんとか
なにかイリュージョンを
見せてくれないかと
秘そかに期待する

風に遮られているはずの
蝋燭塔の中の
ローソクが消える

立てかけた榊が
立てるそばから
倒れ続ける

お墓に
日本酒をかけるお方がある

父は大の酒嫌い

父と共に
笑いをこらえる

父自身が
このお墓地を買って
25年目

ようやく
空き地の有効利用となった

大和の山々を望む丘

義父の墓の
筋違いの列びに
我々の心の依り処が
新たにできた

父が来て
月参りが叶わぬ不孝を
お許し願いたい

いつも有難う御座います