新年会があった
てっちり
いつのまにかてっちりが庶民のものになった
30年前
てっちりは一冬に一度出会えばいいほうだった
20年前
暮れには黒門市場に天然ふぐを一尾買いに行っていた
昔は天然という言葉を使うこともなかった
ふぐの目利きには自信があった
大きすぎず小さすぎず
千代の富士のようなふぐを選ぶ
ぽってりしてるが締まってる
いい目をしてるね
だんだん店の人にも認められるようになった
てっちり屋でも以前は一尾買いだった
水槽に泳ぐふぐを選ぶ
目方を量り値段を交渉する
てっさと鍋用にさばいてもらって
家族で一尾分を食べる
白子が入っていたら白子も
今は一人前セット
どんなふぐかわからない
一人前の量を一定にするには
仕入れる方も大変だろう
無駄がないようで
たくさんのロスが出るだろう
形のちがう生き物なのだから
一尾丸ごと喜んでいただく
これが生き物の成仏への供養
そう思ってる
いつもありがとうございます