毎日、小説を読む。
いつも3冊の本を同時に読む。
同時といっても3冊いっぺんに手に持つわけではない。
小説があまり入り込めないときのために2冊予備を持つ。
それほど常に本がないと気がすまない。
ハウツ-ものや評論はあまり好まない。
それでも気分転換にあるいは題名に惹かれてたまに買う。
『知に働けば蔵が建つ』
著者 内田樹
小説ではない。
なのに、入り込んでしまった。
通勤電車の中で、笑い続けてしまった。
含み笑いではない。
こらえることのできない笑い。
クックックック。
アッハッハッハ。
声を出さないようにこらえるから、破顔がさらにゆがんでいたに違いない。
目と口だけはしっかり笑ってる。
口はついに大口を閉じることはできなくなった。
きっと回りの人は、低俗なコミックでも読んでると思われただろう。
駅に着いた。
肩を震わせながら、満面の笑みで電車を降りた。
気がふれたと思われてもしかたがない。
ハハハハッハハハハハッハ-
やっと声が出せる。
拷問から開放された気分だ。
幸せ気分になることが書いてるわけじゃないのに。
なんでこんなにうれしいんだろう。
この本の中にわたしもいるんだろう。