父に会いに行った。
にこやかに迎えてくれた。
アルツハイマ-病。
陽の当たる明るい部屋で椅子に座り一日を過ごす。
おとうさんいつもありがとう。
孫たちは元気ですよ。
お蔭さまで大学の4年生と3年生ですよ。
おとうさんのお蔭で私は健康に育ち今もほらこんなに元気ですよ。
背中をさする。
耳をさする。
ほほずりする。
手をにぎる。
伝わらなくていい。
何も言ってくれなくていい。
わたしはわたしの思いのたけの気持ちをわたしのからだいっぱいに満たす。
表面的な会話が役に立たないことで安心する。
一方的なわたしの思いにわたしは集中できる。
期待しない。
これでいいんだ。
純粋な者の前ではなんて純粋でいられるんだろう。