2008年10月23日木曜日

弦楽四重奏


大学室内楽定期演奏会があった。

弦楽四重奏曲 ト短調 作品27  E.グリ-グ

第一ヴァイオリン

弦から出る音だけでは表現がたりないとばかりに身体が揺れ動く。

いや弦から出る音はこの身体全体の動きをすべて吸収しそのほんの一点の摩擦音をホ-ル全体に響かせてるのか。

フォルテッシモは脚をふんばる。

ピアニッシモは目を細める。

ト音記号の配置される平面の紙が人の人生を揺れ動かせ今この一瞬だけでもこのホ-ルにいる人それぞれにさまざまな感慨を与えている。

いつもながらその影響力にそのエネルギ-に畏敬を感じる。

第一ヴァイオリン

大学卒業年最後のアンサンブルコンサ-ト。

よくここまでがんばれたもんだ。

2才から。

まっすぐにここをめざしてきたわけではない。

それでも今このステ-ジでグリ-グを見事に弾いている。

感無量。

第二ヴァイオリンの家族もヴィオラの家族もチェロの家族もそれぞれ同じ思いで聴き入っておられるにちがいない。

弦は人が出るという。

4人の技であり人であり音という形となり空中に飛び出る。

耳を通して受け取り心動かす。

奏者の思いを感じたり作者の思いを感じる。

テ-マも知らず勝手に意識は浮遊する。

幼き頃のキラキラ星を思い胸熱くなりヨ-ロッパの森を作者と共に空中散歩する。

今この瞬間目に見えているもの今この瞬間耳に聴こえているもの。

なんと贅沢な至福の時間。

だれに感謝しようか。

とりあえずはグリ-グか。