2012年9月22日土曜日
第五番 飯泉観音
かなはねば
たすけたまえと
祈る身の
船に宝を
つむはいいづみ
朝は雨
晴れると信じて出発
やっぱり小田原駅ではもう晴れ
富士急湘南バスの時間が45分後だという
観光案内のおじさんが言う
大雄山線に乗って
五百羅漢で降りると
15分ほどで着きますよ
3両しかない大雄山線に
初めて乗る
単線の分岐点をみるのは好き
五百羅漢駅に着いてみると
駅員さんは飯泉観音へは遠いですよ
2,30分かかりますよ
とさっきと全然違うお言葉
あらまあ
もう引き返せない
白鷺が何羽も休む酒匂川を渡ると
小さな杜が見え
ようやく勝福寺にたどり着く
曾我兄弟が仇討の成功を祈り
怪力を授かった仁王像を祀る仁王門が
古刹でも威厳健在と迎える
観音堂の欄干彫刻を見上げると
色褪せながらも活き活きと
天女が舞う
鑑真和上が唐より招来した
十一面観音像の気配を
簾の間から
なんとか感じ取ろうとする
参拝客もなく
静かに観音経を読むには
あまりにふさわしい
樹齢1000年という大銀杏が
由緒などどうでもよろしいと
威風堂々
御蔭様で
歩いて歩いて
昔に着く
いつも有難う御座います