2011年4月5日火曜日

車窓の桜


通勤電車は読書タイム

何年もそんな習慣がある者にとっては
電車の中が暗いのは
とてもさみしい

駅も沈んだような位置にあるところでは
ドアが開いていても
一瞬目を凝らし
乗客が乗っているのを確認しないと
車庫行きかと
思ってしまう

暗い中
静かに待つ乗客の箱に
入っていくのは
なにか暗い物語に出てくる列車に
乗り込むようで
少し勇気がいる

本も読めないので
目は自然に明るい外に向く

ビュンビュンと過ぎる景色に
ときおり
ピンクの固まりが
窓を覆う

本から顔を上げなさい
外には桜がこんなにきれいですよ

そう促されたようで
思わず微笑む

いつもは
通勤時間も勤務中とばかりに
ノ-トパソコンを打ち続けている
ビジネスマンも
あきらめて
外を見ている

暗い中
話す人は少ない


明るい方を
見ている

映画館のように
暗いところから見ると
明るいものが
より引き立つ

御蔭様で
節電で
車窓ショ-

いつも有難う御座います